禁域―秘密の愛―【完】
「………応援してるわ」
「うん!頑張って、瞳!」
「瞳ちゃんと桐谷君なら大丈夫よ!」
そして、それに続いて朝香さんや愛ちゃん、 かれんちゃんも笑顔でそう言ってくれる。
「皆………ありがとう」
巧と私はお互いに微笑み合うと三人に頭を下げた。 そして、そのまま車の中で運転席を開けながら事なりを見守っていた啓史さんの元へ行く。
「………という事だよ、啓史兄さん。 俺は今から父の元へ行くつもりだ。 瞳の事を認めて貰うために」
「………俺は、光おじさんが許してくれるとは思えないけど。 瞳ちゃんは確かに良い子だけれど、家柄が平凡過ぎる」
依然として、否定的な言葉を言う啓史さん。 ………でも。
「………初めてだな。 アンタが、社長令嬢だの、どっかの病院の院長の娘だの以外を"いい子"だって言ったのは」
「え………?」
巧のその言葉を聞き、私は驚いて目を見開いて啓史さんを見た。
「………まぁね。 巧、お前の事は依然として大嫌いだけど………、元々、瞳ちゃんのことは何とも思ってないから。ただ、お前の好きな女ってだけでムカついたって話で」
「………本当、昔から屈折してるよな」
「煩いな、少し黙ってなよ。 ………まぁ、優斗君も朝香ちゃんも案外アッサリお前達の関係を認めた訳だし? これ以上、邪魔しても俺にメリットはあまり無さそうだしね。
だから………、 巧。 俺の役員報酬を何百万と増やす事をブラジルから帰国したら検討しなよ。そしたら、二人のこと応援してあげる」