ディスオーダー【短編集】

「大丈夫ですか?」

「あ、あ」


 死んだ。

 口内から血をドブァと吐き出して死んだ。

 声を掛けただけ無駄だったよ。

 声を掛けるんじゃなかった。

 死ね!って、もう死んでいたか。

 ボト、ボト。

 ボトボトボトボト。

 また降ってきた。

 色んなものが空から降ってきた。

 ボト。

 ボト。

 僕のお母さんとお父さんも降ってきた。

 そして死んだ。

 空を見上げると、まるでブラックホールのようなモノがそこにあった。 

 ブラックホールのようなモノの穴から、色んなものが降ってくるみたいだ。


「お腹、また空いてきたなぁ」


 そのブラックホールのようなモノの穴を見て、僕は、また確実にお腹が空くのを自分で分かっていた。


END.
< 18 / 100 >

この作品をシェア

pagetop