ディスオーダー【短編集】
 その日を堺に、たーちゃんの前からユイくんが現れることはありませんでした。

 たーちゃんのために、ユイくんはずっと空を飛ぶ赤い人間を捜しに行っていたからです。

 はたして、ユイくんはどれくらいの間、空を飛ぶ赤い人間を捜しに行っていたでしょうか。――なんと!ユイくんは帰ってきたのです。


「わぁ!赤い人間さんだ!私とおともだちになりましょう!」


 君は無邪気な笑顔を浮かべて、その場でくるくると回って踊り出します。

 そして、ぴたりと止まった君は僕を見つめ、言うのです。


「ユイくんはどこ?」


 ……え?


END.
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