ディスオーダー【短編集】

 息がだんだんできなくなってきた。

 苦しい。苦しい。苦しい。

 思考もまわらなくなってきた。


 遠退く意識の中で、僕は確かに聞いたんだ。


「コウタ!また虫をビンの中に閉じ込めて!掃除をするのは母さんなんですからね!」

「はーい、母さん」


 ああ。

 僕が虫であることが、いけないことなのか。


END.
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