ディスオーダー【短編集】
17 → 純白な悪意

 僕のお兄ちゃんは、背が小さい。

 僕のお姉ちゃんも、背が高い。

 母さんは背が小さくて、父さんは背が高い。

 他のみんなは普通。

 でも、1番背が高いのは、この僕だ。

 僕はいらない子らしい。

 背が1番高いからなのか、そうじゃなくてもいらない子なのかは分からないけれど、とにかく、僕はいらない子らしい。

 だからみんな、僕を邪魔者扱いする。

 下手をすれば、存在自体を忘れられて、無視される。

 僕はここにいるのに。

 1番、目立つはずなのに、おかしいね。
< 57 / 100 >

この作品をシェア

pagetop