ディスオーダー【短編集】
18 → 殺し屋さん
　私は殺し屋だ。

　依頼に基づき、人を殺すことを職としている。

　場合によっては無断で殺すことも厭わない。

　だから、誰も私に近付かない。近付こうともしない。

　……まぁ、むやみに近付いてくるようものなら、この銃弾で頭をぶち抜くけれど。

　今日、とある男から殺人の依頼が届いた。

　私は殺し屋だから、その依頼された人を殺さねばならない。

　……それがいかなる理由があろうとも。

　早速殺してほしい人の名前や特徴を見る。

　ふむふむ。なるほど。

　了解した。

　殺してほしい人は、まごうことなき私のことだ。

　依頼者は私を殺してほしいらしい。

　私は迷わず拳銃を持ち、自分のこめかみに銃口を向けた。

　そして、引き金を引く。

　これは仕事。だから私に意見を発する権利もなければ、依頼を放棄する権利もない。

　次の瞬間、銃声が鳴り響く。


　殺人依頼、達成。


END.
< 59 / 100 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop