ディスオーダー【短編集】
21 → 死体が降る午後0時
 僕の町は死体が降ってくるんです。

 決まって午後0時に。

 どうしてかは分かりません。

 どこから降ってくるのか、どうして降ってくるのかも分かりません。

 ただ、降ってくるんです。

 ……え?驚かないのかって?

 ……そうですね。

 慣れとは怖いものです。

 もう驚きはしません。

(嗚呼。また降ってきました)

 雨が降ってきた時に(嗚呼。雨が降ってきました)と思うのと同じように。

 ただ、そう思うだけです。

 ……え?降ってきた死体はどうするのかって?

 ……そうですね。

 町のみんなが焼いて処分します。

 放っておくと次の日にまた降ってくるんですよ。

 前の日に降ってきた死体と、また新しい死体が。

 2体に増えてしまうんです。

 手間がかかるので、降ってきたその日にその死体を処分してしまうんです。
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