ディスオーダー【短編集】
もういいですか?
僕は忙しいので、──いえ、忙しくなるので、そろそろおいとましたいのですけれど。
……いえ、気になさらないでください。
大丈夫です、謝らないでください。
それでは──。
死んでください。
時々いるんですよね。
どこからか噂を聞きつけて、本当に死体が降ってくるのかを実際に確かめにくる、あなたのような人が。
正直、それに関しては困るんですよね。
──ああ、せっかくのお気に入りの衣類だったのに、あなたの血で汚れてしまいました。
……あなたのような、実際に確かめにくるの、本当に困るんです。
ひやひやするんですよ。
こうやって僕のしたことが、バレるんじゃないかって。
あっ。
ちょうど午後0時ですね。
ほら、見てください。
死体が降ってきたでしょう?
って、あれ?
いないです。
消えてしまいました。
それどころか……。
降ってきたの、あなたじゃないですか。
そこからの眺めはどうですか?
END.