ディスオーダー【短編集】

 しかも――。


「ちょっとー!だれよこれー!私の机の上に花瓶を置いたのー!」


 ――しかも、かなり悪質なイジメ。

 みんなはクスクス笑っている。

 こんなことをして何が楽しいのかしら……私には分からないわっ。

 プリプリと怒りながら花瓶を退かそうと手を伸ばした瞬間――。


「あれ?」


 花瓶には触れられず、そのまま手はすり抜けてしまった。

 その瞬間、私は思い出す。
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