ディスオーダー【短編集】

「私も、あなたがいくら『嫌だ』って言っても、泣き喚いても、やめないことにするね」


 水槽の中の(クチ)は、ニヤリと笑う。


 私の手は彼女の首を掴み、ギリギリと音をたてて締め上げていく。

 苦しそうな声を出す彼女だけれど、私はやめない。


 だって、あなたもやめなかったものね?

 どう? 苦しい?

 きっと(ミミ)は、もっと苦しかったよ。


 (ミミ)の心の声を分かっていたのに無視をして、ずっと言葉のナイフでイジメ続けていたのでしょう?


 だから私も、あなたと同じように、あなたが「やめて」「もう嫌だ」って言っても、泣き喚いても、やめないことにするね。



「ね? ──私の〝(アタマ)〟」



END.
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