こちら、なんでも屋でございます【2】
002



「ったく……あのクソ綺羅め…」

昨日、大人しく寝たと思った綺羅が夜中に突然襲い掛かってきたんのだ。
本人は朝目を覚ますと記憶にないと言い出したので顔面を殴ってやった。
そのせいで綺羅のメガネは粉々になってしまったが……
そんなことより今はこの張り込みに専念しなければ…

「てゆうか、なぜ私が警察染みたことを?」

よくよく考えればこれは警察の仕事。
なんでも屋である自分がやるべき仕事ではないはず。

「チッ……張り込みは打ち切りだな」

軽く舌打ちをし、犯行現場から離れて行った。



ドンッ!


「いっ…」
「あ、スミマセン」
「いえ」

なんだ、今の奴…。
嫌な匂いがした。


―――人の血の香り。




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