こちら、なんでも屋でございます【2】




「そのクズ野郎は今、レインさんを狙っています」
「はぁっ!?」
「レインさんは悪魔、死神それぞれの血を引く悪魔族の中でも類を見ない珍しい人種です。しかもレインさんは並はずれた能力を身につけている。それは同じ悪魔さえも滅ぼす能力。その能力を利用し、人間を惨殺するのが今回の犯人の目的です。」
「レイン…」
「ご安心を。その悪魔を狩るのが私たち“悪魔狩り”の仕事ですから」
「…」
「兄さんも本物の正義になりたかったらさこんなお遊び止めて家に来なよ」
「断る」
「兄さんは昔から見かけによらず頑固だからね、今日はこの辺で退散しようかな~、行こうセシル」
「はい」



静まり返る事務所。



綺羅の中で楽しかった日々の走馬灯がよみがえる。



「……レイン」



“キスに誓おう”



あの時、もっと俺が止めていれば…

でもレインが本当にその悪魔に捕まったって証拠はない。
こっちはこっちなりにレインを支えよう。



レインが無事に戻ってきたら…


本当はこんなセリフ男が言うもんじゃないけど…




信じて待ってるよ…レイン




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