《完結》アーサ王子の君影草 上巻 ~忘れられた庭に咲く誓い~
そう言ってグラスを強引に手渡す。
「ありがとう。ん……爽やかで、でも甘酸っぱくてすごくおいしい!」
「だろ? 良かった!」
自身の好物を気に入って貰え不思議と嬉しくなる。美味しそうに果実茶を飲む姿を満足げに眺めているとスズランがグラスを差し出して来た。
「本当にとってもおいしいから、やっぱり二人で半分こ! ね?」
「はあ…。俺が敵わないの分かってる癖に。じゃあ、もう一口だけいただくよ」
グラスは受け取らずそのまま硝子管に口を付け一口だけ頂く。何故か先程よりも特別甘く酸っぱい。
そんな中ぽつりとリタが呟いた。
「 ……ねぇ。おねぇちゃんは、アーサさまのこいびとなの?」
「えっ!?」
「え!!?」
何やら直球な問に危うく果実茶を吹き出しそうになった。聞き間違いでなければ今、リタの口から〝アーサ〟とか〝恋人〟と言う言葉が飛び出した様に聞こえたが。
「ま、待ってリタちゃん?! ち、違うの、この人は…」
「ゲホッ…! そう、俺はライアっていうんだ…」
「うーん、そうなのー?」
そう言ってラインアーサの瞳を除き込むリタ。やはり聞き間違いではないらしい。もはや子供特有の純粋な眼差しに押し負けそうだ。
「ああ、よく似てるって言われるけど……」
「ありがとう。ん……爽やかで、でも甘酸っぱくてすごくおいしい!」
「だろ? 良かった!」
自身の好物を気に入って貰え不思議と嬉しくなる。美味しそうに果実茶を飲む姿を満足げに眺めているとスズランがグラスを差し出して来た。
「本当にとってもおいしいから、やっぱり二人で半分こ! ね?」
「はあ…。俺が敵わないの分かってる癖に。じゃあ、もう一口だけいただくよ」
グラスは受け取らずそのまま硝子管に口を付け一口だけ頂く。何故か先程よりも特別甘く酸っぱい。
そんな中ぽつりとリタが呟いた。
「 ……ねぇ。おねぇちゃんは、アーサさまのこいびとなの?」
「えっ!?」
「え!!?」
何やら直球な問に危うく果実茶を吹き出しそうになった。聞き間違いでなければ今、リタの口から〝アーサ〟とか〝恋人〟と言う言葉が飛び出した様に聞こえたが。
「ま、待ってリタちゃん?! ち、違うの、この人は…」
「ゲホッ…! そう、俺はライアっていうんだ…」
「うーん、そうなのー?」
そう言ってラインアーサの瞳を除き込むリタ。やはり聞き間違いではないらしい。もはや子供特有の純粋な眼差しに押し負けそうだ。
「ああ、よく似てるって言われるけど……」