『華國ノ史』

月の隠れ里

 華國第三団は東の渓谷と易々と突破し、

 重き扉の城の残留兵を軽々と倒し南進する。

 
 大小合わせ6つの砦と城を落とし更に南を目指した。


 先の渓谷の戦いで煌皇東の勢力は失われ、

 大半が帝都に回されていたのもあったが、

 第三団の実力が凄まじかった為でもある。

 
 特に悲痛なまでの修業を経たセブンは剣技に磨きがかかり、

 温泉町で星を打ち上げる人呼ばれる程、天へ向かい魔力送りを行っていたので、

 無尽蔵の魔力を身に付けていた。


 王からは報奨として「スタージュン・ドレイク」の三つ名を受け。

 魔導師の位をクラッシュから与えられた。

 
 宝物庫からは始まりの人が由縁である秘宝「瞬きのベルト」を貰い、

 生き残った王都の貴族からは、至宝「紺碧のマント」を贈られた。

 
 着ていたフォロフォロの竜鎧には金よりも価値の高い、

 ミスリル銀がケイロンによって加工されていた。

 
 もうそこにはまだ弱さが残る青年は無く、

 誰もが認める屈強な戦士がいた。


 

 更に、サーカス族の鎧には呪いが掛けられおり、

 それを着込んでいる間は味覚、嗅覚、痛覚、触覚が奪われ、

 更に楽しいという感情、悲しみまで失った。

 
 それらの代償として彼等は元々優れていた身体能力を底上げし、無頼を誇った。

 
 サーカスは前線で敵の魔力を遮断し、逆に華國軍はセブンの強力な魔法を放った。

 
 白兵戦ともなると、一対一のはずが、実質六対一に成る程の猛者揃いの華國軍。


 彼等を止められる者はいなかった。


 それはボーワイルドが立つまではの話である。

 

 

 

 
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