『華國ノ史』
 元より煌皇国は星の民がその特殊な魔法を長きに渡って眠らせる事が可能であると知っていた。


 そして最後にはその行動に移るだろうとも予測している。


 だが、煌皇国はこの秘宝探索にそれほど関心が無かった。

 
 受け継がれる者がいない今、何かの動力源に使えるかもしれないという見解の代物であったからだ。

 
 何度か探索隊を送るが発見は出来ず、

 また呪われた禁地に進んで行きたがる者もいなかった為である。


 煌皇国にとってセブンの存在はここでも誤算となる。


 あらゆる魔法を身に付けられる可能性を持つ星の魔法使い。

 
 その存在がまた現れた事も、それが華國に生まれ騎士となっている事は考えもしなかったのである。

 
 十五夜の魂と呼ばれる月の民の魔法はセブンを認め、力を与えた。


 過去からの断片的な記憶、魔力、月の民が培ってきた物は凝縮され全てセブンに継承された。


サジ
「なっなんという」

ジェノス
「たまげたな」

スピア
「平気なんですか?」


セブン
「不思議な気持ち、この街の楽しい思い出や、

 悪魔の恐ろしく思う気持ち、怒り。

 色々と流れ込んできて…。


 でも一番強い思いは、

 月から降りてきた女性の

 男性への思い」


レア
「なんだ?」

セブン
「っそ、その、愛です」


グットマン
「愛かー」


 セブンはこの強力な魔法をキルキスに渡すべく、街を後にした。

 



 

 
 
< 277 / 285 >

この作品をシェア

pagetop