『華國ノ史』
 セブンに根負けしたウルブスはセブンと一緒に紅茶を楽しんでいた。

 
 そこへ、赤毛の女の子が飛び込んできた。


赤毛の子
「何でよ!何で一番じゃない訳?」


ウルブス
「通過者の方ですな?

 しかし早いですな」


赤毛の子
「そりゃそうよっ!何で私より先にいるのよ!

 せっかく泊まり込みで私試験番号1番とったのに」


ウルブス
「セブン殿は試験免除ですから」

赤毛の子
「ああーそれでね」

ウルブス
「しかし試験番号1番で通るとは」


赤毛
「実は魔法使えるって知ってたのよ、

 でもその方がロマンチックでしょう?

 きっと伝説になるわ」

ウルブス
「毎年そういう方がおられるそうですな、前年は一番最後に現れたそうですが」


赤毛の子
「くっ、それもかっこいいじゃない」

 セブンは紅茶に夢中で気にもしていなかった。


赤毛の子
「私はクロネ・ライン・ストラッシュ、みんなはクロネと…てか、あんたちょっとは興味持ちなさいよ」


セブン
「ストラッシュ!」

クロネ
「何よ!呼び捨てなんて失礼でしょ?」

セブン
「何でも無い、ただ響きがかっこよくて」

クロネ
「まっまーね」

ウルブス
「私はお世話係のウルブスです。お紅茶はいかがですか?」

クロネ
「頂くわ」

ウルブス
「三つ名は貴族の証ですが、クロネ様のご両親は聞いた事がありませんな?」


クロネ
「私こう見えてもお貧乏な家の生まれですの、実はただのクロネ。

 街まで送ってもらってそこからは1人なの」


ウルブス
「ふふ、私は愉快な世代に当たったようですな」

クロネ
「あんたも血筋じゃないんでしょ?」

セブン
「血筋?ちがうよ、僕セブン」


クロネ
「それはあんたの名前でしょ?ウルブスさん何この子?」


ウルブス
「クロネ殿はセブンの良いお姉さんになりそうですな」

セブン
「お姉ちゃんだったんだ!」

クロネ
「違うけど?」





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