『華國ノ史』

友を慈しむ火柱

 いつもは賑やかな庭園に人影はなく、

 訓練生の溢れる無知なる者の止まり木にも誰もいない。


 セブン、ミニッツ、セコンドそしてクラッシュは螺旋階段を駆け上がり校長室の扉を開いた。


 クラッシュが開いた瞬間、部屋にあった唯一置かれた机を魔法で粉々に砕いた。


ミニッツ&セコンド
「粗っぽいな~」

クラッシュ
「どうせ何も残らん」

 机の下には地下へと続く長い長い縦穴が隠されてあった。

 何処まで続くかわからない石のはしごが微かに見てとれる。

クラッシュ
「急げ、だが気を付けろ」

 クラッシュに急かされ三人はそれを降りて行く、石の突起部はどれも古く、時折欠損していた。


 先頭を行くセブンは足が地に着いたのを確認し辺りを見回す。
 
 
 カビ臭い石室は淡い光を出す鉱石で照らされている。

クラッシュ
「魔力を注げ、魔力送りの石碑と似た石だ」

セブン
「反応石ですね」

ミニッツ&セコンド
「優等生だな」

 四人が魔力を注ぐと魔力に反応し石が光を放った。

セブン「扉だ」

 低く太く鈍い声が扉の向こうから聞こえた。

「エンリョハスルナ

   ハイレ、ヒトノコヨ」

 
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