好き嫌い。
ある日、学校の帰り道。


部活をしていない康太が自宅にいるのを確認してから、呼び出した。



「何?」


スウェット姿の康太は、大人びて見えた。

中1の…13歳の男の子なのに。


「あの、あたし、3年の」
「伊達さん。知ってる。何か用?」


まさか知られてるとは思わなかった実里は動揺していた。

予定通りの言葉が出てこない。


何度も何度も繰り返し練習したのに。


「あ、、、あの、、、」
「撮影があるから忙しいんだ、手伝いしなきゃなんないし。
用がないなら戻る。」


くるりと背を向けた康太に焦る。


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