好き嫌い。
「好きです!」


…あ、色々言おうと考えてた言葉全部すっ飛ばしちゃった。



真っ赤になった実里は、康太を見ていられなくて俯いた。


「は?あんた3年だろ?俺より年上じゃん。
…ってか、冗談じゃねぇ。」


聞こえてきた言葉は、実里の心を深く抉った。


冗談じゃねぇ…か。


だよね。


あたしみたいなどこにでもいるような女の子じゃ、見向きもされないんだろうなぁ。


涙が出そうだった。


俯いたまま唇を噛む。

何も言えず、そのままくるりと向きを変え、実里は走ってその場を離れた。


走りながら、泣きながら…。

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