好き嫌い。
「ミノリはさ、可愛いんだから何事にも無理をしない方がいいよ。
無理してる姿を見る度辛くなる。
あー、他に好きな奴がいるんだなってわかるし。」


彼氏…陵くんから、そう言われた。


「ごめんなさい…。」

「謝らなくていいよ。それなりにミノリと付き合って楽しかったから。」


優しい陵。

好きになれたらよかった…康太より。



「バージン貰っちゃったしね。悪いことしたかな…。」


照れ臭そうに笑う彼の顔を見つめる。


「じゃ、元気でね。自分の気持ちに素直になりなよ。」


カフェから立ち去る後ろ姿を見て。



悲しかったけど、涙は出なかった。


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