好き嫌い。

その2

短大の2年なんてあっという間だ。


就職難のこのご時世に、上手く実里は就職先が決まった。


何の事は無い、ただの事務員。


OLといえば聞こえがいいが。

とりあえず生活していけるだけの給料が保証された。


住むマンションは短大時代のままで継続した。


ワンルームだけど、自分の城。


ピアノはないけれど、短大時代にアルバイトでピアノを小さい子供に教えていたので、その教室へいつでも弾きにおいでと誘ってもらえていた。


なんて素敵。


そんな感じの毎日。

短大を卒業して就職するまでの僅かな間に、アキと香代が遊びに来てくれたりした。


その時、意外な話を耳にした。

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