好き嫌い。
「今更でしょ?大体康太君があたしを覚えてるとは限らない。

2人の気持ちは嬉しいけど、もう終わった話なんだよ。

諦めたの。」


そう言うと、香代がムッと顔をしかめた。

「優等生の実里の悪い癖。」


え…?


不意にぎゅうっと手を握られた。


「あのさ。卒業式の時、奥井くん、実里のこと探してたんだよ。
あたしは海野くんと居たから本当にわかんなくてさ。

すんごく真剣に【実里どこですか】って。
関係ないなら探したりしないよ。」


初めて聞いた。


というより、康太のことを聞かない、見ないようにしていたから…。


辛いのは自分だけだって。


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