好き嫌い。
「ねぇ、どこにいくの?」

「ん?俺んち。」


…え?俺んち?


「今1人暮らししてんの。だから親居ないから。」

「え、いいの?あたしが行っても…」


足が止まる。

振り向いた康太は優しい顔をしていた。


「ミノリが初めてのお客さん。心配いらないよ、大丈夫だから。」


…そういう心配じゃないんだけどな。

ま、いっか。

繋いだ掌が熱を伝える。


好き。


大好き。


愛してる。


気持ちが伝わればいいな。
掌から気持ちが伝われば…それで終わりなのにな。


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