好き嫌い。

その4

「俺の話、聞いてくれる?」

「うん。」


隣り合わせの肩が触れて、不意に康太が口付けてくる。


「ミノリが好きだって気持ち、ホントはずっと昔からあったんだ。

信じてくれないかもしれないけど。

最初にさ、ミノリが好きって言ってくれた時あったじゃん。

すっげえ嬉しくてさ。正直舞い上がっちゃったんだよね。」


ふわり、と肩を抱かれる。


「年上だから絶対俺のことなんて眼中にないだろうって思ってて。
まさか、だったんだよ。
そしたら舞い上がった俺が口にした言葉が【冗談じゃねぇ】だったんだ。


ごめん、ホントにごめん。

傷付けたってわかってた。だけど、避けられてて…それがわかったからこそ謝るタイミング逃してしまって。


ミノリが好きだったから…俺も辛かった。

自分が招いたことなんだけど。」


そして再びキス。

それは小学生の時の話だったから。

なんかこうしてくっついてキスしてる今が不思議だった。

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