好き嫌い。
どこかで携帯が鳴ってる。



覚醒しかけの脳内で、ぼんやりと思う。

あ、これあたしの携帯だ。


そう頭では認識しているのに、なかなか起きることができない。


「もしもし。」


あ、康太だ。

どうしたのかな。


「ミノリならまだ寝てますけど…あぁ、聞いてます。わかりました、じゃあ一緒にそちらに向かいます。
あー、じゃあその時間で。すみません、ははは、俺のせいですね。」


誰と話してるの、康太。

あたしの…あたしの康太。


ぱちり、と目が覚めた。


夢?


「ミノリ、起きたか?」


身体を起こすと、グレーのスウェットに上半身裸のままの康太がこちらへ近寄ってくる。


ベッドの淵に腰掛け、ミノリの身体を抱き寄せ髪にキスを贈る。


「いい眺め。ミノリ、おっぱいおっきいなぁ。そんなとこも、俺好み。」


ハッと自分を見ると、素っ裸のまま。

シーツははだけて上半身が丸見えだ。


「や!見ないで!」


恥ずかしくてたまらない。


好みとか。


ホント?


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