好き嫌い。

「ダメだ、他の男になんてダメだ…」


力なく呟く康太。


「ああ見えて、実里モテるわよ。
スタイルいいしね、色目使うやつもいるくらいだから。

彼氏だって居たんだから、こんなんじゃあんたなんかより他の男のがいいっていうかもね。」



「それは…」


反論なんか出来ないだろう。


実里からの連絡を無視した挙句、浮気現場を目撃されたのだから。


「でも他のやつに渡したくない…ミノリは俺の…女だから…。」


…どの口でいうかな、それ。


半ば呆れ気味なアキは深いため息をついた。