好き嫌い。

その4

どれくらいそこにいたのだろう。


感覚が鈍る。


ふと顔を上げると海が見えた。


こんなとこまで走ってきたんだ、あたし。


フラリと立ち上がり、海へと歩き出す。


なんでわずか数ヶ月でこんなことになったんだろう。

仕事優先で康太に会いたいって言われても断ってたから?

会ってもエッチしなかったから?

可愛げなく映ったのかな…。


ボロボロの自分が凪いた海面に写る。


乱れた髪、シャツ、破れたジーパン、泥んこのスニーカー。

おしゃれなんかしてないから?


女として魅力がないから?


なんでなの?


「誰か助けて…」


力なく波打ち際に座り込む。


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