シルバーブレット
銀色の龍は愛情の証
「ところで、なんで緒方がいんの?」



帰るタイミングを逃したのか、緒方はいまだに現場にいた。


倉庫入口近くでこちらをジッと見ている。



「分かんない。そもそも緒方がここに来る理由が分からないわ。今回の事件の首謀者は烏田切みたいだし。」



穏健派とはいえ聞こえていたら怖いので、尋ねた隼弥も答えた瀬羅も小声だ。



「………。」



2人の会話が聞こえてきて思うことがあるのか、煌は複雑な表情だ。



「結灰。烏田切が親子とか言ってたが、あれは…っておい!」



話かけた志麻を無視し、煌は緒方に近付く。



「あんた一体何がしたいんだよ。烏田切やおやっさんが知ってたってことは、調べたんだろ?何で言わない?」



「………。」



緒方は煌の言葉にも無言で、気まずそうに目を反らしたままだ。
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