シルバーブレット


「手ぇ出すんじゃねぇ!!!」





殴り合いが始まろうとしたその時、煌の怒号が響きその場にいた全員の動きが止まる。


「姐さん…」

「いいから、手ぇ出すな。」


頭から血を流し少しふらついている煌を心配する左側の2人を安心させる様に言い、右側の2人に近付く。


「これ以上やるなら、公妨でしょっぴくぞ?」


「っ……」


「冬架、胡桃、その辺にしておけ。」


煌に凄まれて言葉も出ないが、それでも退かない2人の背後から制止する声がする。


「桐也さん!」

「いいんスか?!」


「あぁ。お巡りさんが善良な一般市民に手ぇ出すなんて、ましてや逮捕なんて…する訳ねぇよなぁっ!」



「カハッ…っっ……――――」


現れた桐也は笑顔で煌に近付き、胸ぐらを掴み勢いをそのままに止まっていたパトカーに押し付け、更に右膝で煌の鳩尾を蹴りあげた。


桐也にされるがままの煌はその場に崩れ落ちる。
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