シルバーブレット
スケープゴートで万事休す
「(ったく、何やってんだ隼弥の奴……)」



少し前に着信しなくなった携帯。


1回目の着信から大分時間が経っている。

時間稼ぎもこれ以上は限界だ。

だから、何かしら対策を練っていて欲しいのだが。


しかし、外国人達がすんなりこの倉庫へ入れたということは、少なくとも倉庫への周りには誰もいないということだ。


隼弥が今どの辺りにいるかなど、この状態では知る術が全くない。



「(あの外国人達は烏田切が呼んだみたいだな。俺達の始末要員か?)」



入ってきた外国人達は、見たところアジア系の顔立ちだ。



「(五課が言ってた、中国系のマフィアの可能性が高いな。)」



服装はポロシャツにジーンズと軽装で、武器は持っていなさそうだ。



「(やるしか、ないか……)」



烏田切に知られた以上、引き延ばしは無理に等しい。

それならば、捕まる前に先手を打つしかないのだ。


震えが止まらない春貴の為にも、怪我をしている蘇芽の為にも。



烏田切に、殺される訳にはいかない。
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