氷の魔女とチューリップの塔
「吹雪!」

唱えても、粉雪程度にしかならない。

「だったら、いっそ…ぼたん雪!」

水っぽい雪の粒が蝶達にベチャリと張りつき、撃ち落とす。

たどり着いた螺旋階段の終着点。

大きな扉が独りでに開いてロゼルを飲み込む。

追いかけてスリサズも飛び込んでゆく。



広い部屋の中央に、棺のようなガラスケース。

白ずくめの王女を守るように周囲を舞っていたチノリアゲハ達が、ロゼルのために道を開ける。

もう疑う余地はない。

剣士は王子の身代わりとして、姫のもとに招かれたのだ。
< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop