危険なキス
 
「終わった?」
「……まだ、です」


日直の仕事。
それは日誌を書くことも一つである。

あたしはさっきの恨みも込めて、今日一日の日誌を全部楠木にやらせていた。

だけどそれが間違っていたのか、いっこうに終わらない。
掃除監督をしてからの日誌記入だったため、気が付けば教室にはあたしと楠木の二人だけになっていた。


遅くてちょっとだけイライラしたけど
でもこうやって、楠木と二人きりでいられるのは、少しだけ嬉しいと思ってしまっている自分もいる。

あたしは必死に日誌を書いている楠木の姿を、頭の上から眺めていた。
 
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