危険なキス
「いいよ!俺が行くって」
「ううん。書いてくれたんだし、これくらいさせて」
「いや、でもそもそも俺が……」
「………じゃ、一緒に行こう」
このままでは、埒があかないと思ったので、結局一緒に日誌を出しに職員室に行くことになった。
「失礼しまーす」
ちょっとだけ制服を直して、職員室に入る。
そして湯浅先生がいるデスクへ向かったけど……
「いないみたいだね」
そこは空席の状態だった。
「机の上に置いとくか」
「うん」
あたしたちは、結局日誌を、湯浅先生の机の上に置いて帰ることにした。
「そういえばさー」
鞄を持って教室を出ながら、楠木が話し出す。
あたしは返事をせずに耳だけ傾けた。
「湯浅先生って……柊の家庭教師だったやつだよな?」
ちょっとだけ、ドキッとしてしまった自分がいた。