危険なキス
「あ、じゃあさっ」
まだ続けるか!?
と突っ込みたくなるほど、楠木もあたしのペースに合わせて、質問をしてくる。
「お前って、好きなやつとかいんの?」
「……」
その言葉を聞いて、今度は返事すらも出来なくなってしまった。
思わず口を少し開いたまま、楠木を見つめてしまう。
いつの間にか、足早で歩いていた足は止まっていた。
楠木も、一瞬「え?」というような顔をして、足を止めた。
「……いるわけないじゃん」
そして低い声で一言発すると、再び足を進めた。