危険なキス
「相変わらず、色気ねー格好だな」
「……」
部屋に入るなり、一瞬にして口調が変わった。
「もうちょっと、俺が来ること意識して、スカートとか履いたりしねぇの?」
「しません」
「ったく、つまんねーな」
そう…。
これが彼の本性。
口が悪く、性格が悪い。
そして何より、女たらし。
最初は、あたしにたいしても仮面をかぶってた。
だけどひょんなことから、あたしは彼の本性を知ってしまい……。
そこから彼があたしに仮面をかぶらなくなってしまったのだ。
「ま、いいや。始めるぞ」
「……はい」
一通り暴言を吐いたあと、あたしたちは机に向かって参考書と問題集を開いた。