危険なキス
「何度もお前に告白しようと思った。
だけどお前は、一方的に麻衣子を推してばかりで……。
ああ、俺には完全に脈がねぇんだなって思った。
だから……麻衣子と付き合うことにしたんだよ」
今になってあの時の気持ちを話す楠木。
だけどそうさせたのはあたしだ。
あの時のあたしは、自然と楠木を避けるようになっていたから……。
でも今さらそんなこと聞いたって、どうしようもないよっ……。
あたしには、麻衣子を裏切るなんて出来ない。