危険なキス
「付き合って……ない……」
そうだよ。
よくよく考えれば、あたしの片想い。
先生は、また前のように、素の自分を見せてくれるだけ。
「紫乃……顔、怖い」
「な、怖いって言うなっ」
急に表情が一変したあたしに、思わず麻衣子が突っ込む。
だけど自分のバカさに嫌気がさして、そんなのんきに笑ってられないよ。
「えっと……つまり、紫乃の片想い?」
「うん……」
「……そっか」
あたしはそのまま机に突っ伏した。
なんか、舞い上がってた自分が情けない……。
「あたしと一緒。
片想い、頑張ろうよ」
「麻衣子……。
うん」
麻衣子はあたしの頭をポンポン叩いて励ましてくれた。
あたしもようやく顔をあげる。