危険なキス
初めて知った、湯浅先生の過去。
本当なら、湯浅先生の口から聞きたかった。
だけどきっと、先生は絶対に自分から話してはくれなかっただろう。
だから聞いてよかった。
だって知らなければ、先生を救いようがないから……。
いつまでも過去に縛られている先生。
誰もが同じことを繰り返すと思い込んでいる先生。
そうじゃないことを教えてあげないといけない。
あたしは絶対に、負けないということを……。
「振り回した責任、ちゃんととってよね」
空を見上げて、強く睨んだ。