危険なキス
21章 突き破った壁
 
土曜日は、あっという間に来てしまった。


あたしは勉強道具一式を鞄に詰めると、お母さんに「図書館で勉強してくる」と伝え家を出た。


そしてこの前と同じ待ち合わせ場所の駅。

学校では先生と顔を合わせているものの、素の先生と話すのはあれ以来初めて。
あたしは心臓をバクバクさせて、待っていた。

しばらくすると、見慣れた車が停まった。


「乗れ」
「…はい」


相変わらずな命令口調。

少しでも甘い言葉を期待した自分がバカだったのかも……。


「襲われたいの?」
「へ?」


車に乗り込むなり、突然の言葉。
あまりにも突拍子のない発言に、間抜けな声を出してしまった。


「そんなに足出して、俺に触られたいんだろ」
「ちっ、違いますって!!」


セクハラ発言も変わらない。

あたしは思わず、わざとらしいため息をついた。
 
< 354 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop