危険なキス
「もしよかったらまた……」
楠木が、何かをごにょごにょ言っているけど、もはやあたしの頭の中には湯浅先生でいっぱいいっぱい。
どうか気づかないで!!
と言う願いはむなしく……
「……」
先生はこっちを見てしまった。
そしてことがあろうか……
「柊さん。こんばんは」
怖いほどの笑顔を向けて、あたしに挨拶をしてきた。
「こん…ばんは……」
「え?知り合い?」
突然現れた男に、楠木は戸惑う。
それもそうだ。
年の離れたこんなイケメン…、知り合いなことのほうが驚く。