危険なキス
楠木のことが好き。
だけどたぶん、楠木には麻衣子のほうが似合う。
あたしは大きく息を吸うと、ゆっくり吐いた。
そして……
「いいよ。協力してあげる」
麻衣子へ振り返った。
「ほんと!ありがとー!紫乃大好きっ」
「ちょっ……」
麻衣子は立ち上がってあたしへと抱きついた。
麻衣子はあたしの大事な友達。
その友達と、あたしの好きな人が幸せになってくれるなら
協力しないわけいかないよね。
あたしは、自分の気持ちを封印することにした。