危険なキス
「楠木」
「え?」
午後の授業も終わると、あたしは楠木の席へ行った。
思えば、あたしから楠木のとこへ行くのはめずらしい。
「今日このあと、暇?」
「あ、うん」
「あたしと麻衣子、カラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」
それと同時に、麻衣子が後ろからひょっこり顔を出した。
「いいけど…なんで急に?」
「ほら、この前映画行けなかった埋め合わせ」
「ああ」
そう言うと、楠木も納得したような返事をする。
「いいよ、行こうぜ」
「やった!」
楠木が返事をするとともに、麻衣子は喜びの声をあげた。
なんだか、これだけ素直に反応出来るんなら、あたしの協力なんて必要ない気がするんだけどな。
そして、あたしたちは3人で学校を出た。