危険なキス
「やっと起きたわね」
「うん」
1階へ降りると、中学2年の弟も帰ってきてたみたいで、お母さんと一緒に食卓をかこっていた。
弟はバスケ部で、ほぼ毎日部活で帰ってくるのは遅い。
お母さんはあたしが降りてくるのを確認すると、お茶碗にご飯をよそってくれていた。
「そういえば、ちゃんと挨拶とお礼した?」
ご飯が盛られたお茶碗をあたしに渡しながら、そんなことを言うお母さん。
「挨拶?」
あたしには、何のことを言っているのか分からなくて、首をかしげる。
「湯浅先生によ。今日が最後なんでしょ?」
「………え…?」
お母さんから発せられた言葉は、あまりにも予想外の言葉だった。