Produce!〜高校デビューしませんか?〜



柊くんは、ふっと笑って「朝比奈さんってすごいね」と私の肩を叩き返した。


「い…ったー!」

思いっきり叩かれた左肩はジンジンと痛むけれど、柊くんの顔を見ると、何か吹っ切れたような爽やかな顔になっていたから、許そう。



「…頑張れ、大樹!」

友達なんだから、名前で、呼んでもいいよね?
柊くんは一瞬驚い表情を見せたけれど、すぐにまたふっと笑う。
ーー…ああ、悔しいけれど、やっぱりイケメン。



「うん。…て、えっ?朝比奈さん、着いて来てきれるんだよね?」

「はぁぁ?」


どこまで私を頼るのか、この男は。
どんだけダメンズなんだ、この男は。



私は「はあ」と短くため息をついた後、彼を睨みつけるように見上げた。



「真衣…」

「え?真衣?」

「友達なんだし、真衣って呼んでくれたら着いていってあげる」


彼の顔はボッと赤く染まったけど「真衣…」と呟いた。
うん。それで許そう。



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