太陽と月



「あははっ、南様それ言っちゃ今までの言葉が台無しですっ」




なんだか可笑しくなって、ケラケラと笑う

そんな私を見て、ゆっくりと瞳を細めた南様




「瀬川さんは、そうやって笑っていればいいよ」

「え?」

「笑う門には福来たるってね」

「南様、ポジティブ~」

「いやいや、本当だって。暗い顔して下ばっかり見てても、落ちてるのはゴミしかないよ」



カラッとした笑顔でそう言って、再び視線を前に戻した南様

その言葉に、胸を覆ってた黒いものが徐々に晴れだす




「――ありがとうございます。南様」

「ん?」

「私、弱気になってました。頑張るって決めたのに」




そうだ。

どんなに辛くっても頑張るって決めたじゃないか



こんなに好きなんだから

諦めきれるはずがない


だったら、どこまでも追いかけていく

その道が明るいものだと信じて



あなたに繋がっている事を信じて―――



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