太陽と月


「大西主任!! おはようございます!」



一瞬止まった時間を取り戻す様に勢いよくお辞儀した

すると




「え? わっ!! 冷たっ!!」



勢いよくお辞儀をしたのはいいけど、水の出ているホースを持ったままお辞儀をしたもんだから

自分の足元に水をかけてしまった


――猛烈に




「え、大丈夫!?」

「あ、はい! いつもの事なんで大丈夫です!」



一瞬にして、びしょ濡れになった足元を見ながら、恥ずかしさを隠す様にヘラリと笑う



あぁ~もう!! 本当何やってんの、私

朝からまたドジ連発だよ




猛烈な自己嫌悪に陥りながら、ポケットから取り出したハンカチで足元を拭こうと、しゃがみこんだ時




「――クククッ・・・・」




不意に頭上から笑いを噛みしめる様な声が降ってきて、ピタリと動きを止める

ん? と思って顔を上げると、口に手を当てて笑いを噛みしめている大西主任がいた




「あ...ごめっ...我慢できなかった」

「え?」




思わず聞き返した私に、もう降参と言ったように背を向けて肩を震わせ始める大西主任


その背を見て、一瞬ポカンとしてしまった私だけど

何故か私まで可笑しくなってきて、思わず吹き出してしまった


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