神の戯れ


アスラの言葉に渋々頷くリゲルはとても悲しそうな顔をする。

その表情を目にするフィノだが、彼女はお構い無しにそっぽを向いた。



 「俺達異能者にとって住みにくくなった世の中だ。大丈夫だとは思うが、君達の無事を祈っているよ」


 「ありがとうアスラ。2人も気をつけてね。まぁ、平気だろうけど。それじゃあまたね、アスラ、フィノ」


ニコリと微笑み手を振るリゲル。
疲れたのか欠伸をする彼は踵を返し歩き出す。




 「リゲルを頼むな、ヴィーナ、ヴィーネ」


 「……」


リゲルの後を追う双子の悪魔に声をかけるが、2人はチラリと此方に目を向けただけで何も言わず、寸分の狂いなく同じ足取りで立ち去って行った。












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