最大の出来事
 育実は一人で絶対に眠ることができないので、璃穏に一緒に寝てほしいと心から思った。

「さてと、俺はもう寝るね」
「ちょっと・・・・・・」

 手首を掴もうとする前に璃穏は自分の部屋へ行ってしまった。

「無理・・・・・・」

 育実が慌てて璃穏の部屋へ行くと、部屋から璃穏が顔を覗かせた。

「璃穏君・・・・・・」
「どうしたの?育ちゃん」

 嫌な予感がしている璃穏はなるべく平静を装った。

「今日だけで良いから、一緒に寝て!」
「やっぱり・・・・・・」

 嫌な予感は見事に的中してしまった。
 すぐに璃穏が断ると、育実は引こうとせず、何度も頼んでくる。

「お願い!」
「育ちゃん、部屋に幽霊なんていないから、自分の部屋で寝ようね」

 育実は黙って出て行ったので、安心していたものの、別の考えが浮かんだので、璃穏は育実の後を追った。

「空夜・・・・・・」
「何だよ?どうした?」
「あのね、一緒に・・・・・・」
「育ちゃん!」

 育実が空夜に頼もうとしたとき、璃穏がそれを邪魔した。

「何?」
「一人で寝ないと」
「璃穏兄ちゃん、ひょっとして・・・・・・」
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