オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー

勇生side-

巴と悠真を引き合わせたのは俺だが。あんなにも、二人が意気投合するなんて思いもよらなかった。

巴は悠真の今まで一緒に居た女とは全然タイプが違う。
この俺のタイプでもない。

でも、俺の心の中は巴一色で。

認めたくはないけど、俺は巴を好きだ。

義理の兄と妹になる前に、素直に自分のキモチを認めていれば、こんな風に悩まなくても良かったかもしれない。

ガシャンの鼓膜に陶器の割れる音が届いた。

その音で、俺は考え事を止めて、音のした方向に視線を向ける。

久しぶりに、巴が誰かの湯呑を割った。


巴と俺は目を合わせた。

「すぐに片づけます!!有栖川部長」

俺は椅子から腰を上げて、巴に近づいた。

「誰の湯呑を割ったんだ??」

「自分の湯呑です・・・部長の湯呑は無事ですから、安心してください」

巴は布巾を取りに給湯室に行ってしまった。

俺はその間に、フロアに落ちた湯呑の破片を拾う。


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