オフィスラヴ-鬼上司の対処方法ー
母さんと離婚して22年ーーー・・・

浮名を流しながらも独身を貫き通した親父が再婚か…

別に再婚しても構わないが、相手が綾部の母親とは。


俺達は支度を終えて、出社しようとマンションの地下駐車場に来ていた。


「乗れ」


「これって…アルファロメオ・ジュリエッタですよね」


「そうだけど…」


「私…このジュリエッタのフォルムに憧れていたんです…」


「ゴチャゴチャ言う時間はない。早く乗れっ!」


綾部の話をまともに訊いていたら、いつまで話し込むか…わからん。


俺は綾部を急かして助手席のドアを開けた。


「そこは助手席ですよ」


「そうだ。お前…運転席に乗るつもりだったのか?」


「いいえ、私…憧れの車とは言え…ペーパーですから…運転は出来ないです…」


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